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新生・北海道ハイテクACの全メンバーが「東日本実業団選手権」に挑戦しました 男子110mHの高橋選手が2位、女子100mの島田選手が5位と善戦しました

全員で東日本実業団陸上選手権に挑んだ新生・北海道ハイテクACメンバー。左から村岡、京谷、吉田、島田、星、高橋の各選手と北海道文教大学教授の高田雄一先生

全員で東日本実業団陸上選手権に挑んだ新生・北海道ハイテクACメンバー。左から村岡、京谷、吉田、島田、星、高橋の各選手と北海道文教大学教授の高田雄一先生

北海道ハイテクACが生まれ変わり、所属する陸上6選手全員が14日(土)・15日(日)の2日間にわたって山形県総合運動公園陸上競技場で開催された「第64回東日本実業団陸上競技選手権大会」に出場しました。

北海道ハイテクアスリートクラブ(代表 正垣雅規・学校法人滋慶学園理事)は、社会人アスリート支援事業としての「北海道ハイテクAC」の運営と、総合型地域スポーツクラブ「北海道ハイテクACアカデミー」の運営というスポーツを軸とした2つの地域連動型事業を展開しています。

とくに「北海道ハイテクAC」は、アスリートを直接育成するこれまでの方式を改め、働きながら活動を続けたいと頑張る社会人アスリートを支援する社会貢献組織に衣替えしました。サポートを受けるための入部条件は、①各種目で北海道内NO.1、またはそれに匹敵する個人、②日本選手権に出場する見込みのある個人、③特別な理由にて認めた個人、のいずれかに当てはまる必要があります。ホームページも4月にリニューアルしました。

北海道ハイテクACのホームページ

現在、所属するメンバー6人は、北海道ハイテクノロジー専門学校の現役学生である吉田明香里選手以外は、いずれも社会人。北海道では種目トップ級の選手ばかりですが、新しく生まれ変わった「北海道ハイテクAC」のリスタートを記念して、全選手が今大会の標準記録をクリアして山形・天童市に乗り込みました。

今回の「第64回東日本実業団陸上」は、第62回実業団・学生対抗陸上競技大会選考会と全日本実業団対抗陸上競技選手権大会予選会を兼ねており、地元山形県はもとより、全国から強豪が参戦しました。

  • 強い風にはためく国旗や大会旗

    強い風にはためく国旗や大会旗

  • 正面スタンドに集まった観客の皆さん

    正面スタンドに集まった観客の皆さん

島田選手が予選で今大会女子100mの最高タイムをマーク

大会では、札幌市役所に勤務するチームリーダーの高橋佑輔選手が男子110mハードル決勝で惜しくも優勝を逃しました。その差わずか0.12秒。それでも堂々の2位入賞を果たしたのをはじめ、北海道ハイテクノロジー専門学校卒業生で社会人1年生として北央電設に勤める島田雪菜選手が100mの予選で4組全体のトップとなる11秒90をマーク。このタイムは決勝の優勝タイムを上回り、今大会の最高タイムでした。今後への活躍を予感させてくれました。このほか、女子100mハードルの村岡柊有選手や走高跳の京谷萌子選手も決勝ラウンドで戦うなど、新生北海道ハイテクACの若い可能性を大いに感じさせる大会となりました。

  • 110mH決勝で準優勝しガッツポーズの高橋選手

    110mH決勝で準優勝しガッツポーズの高橋選手

  • この日女子100mの最高タイムをマークした島田選手

    この日女子100mの最高タイムをマークした島田選手

北海道文教大学教授の高田先生が専属トレーナー

今大会には、力強い助っ人も帯同しました。専属トレーナーとして今年からACメンバーに加入する北海道文教大学人間科学部理学療法学科および同大学院リハビリテーション科学研究科教授の高田雄一先生です。4月に「理学療法博士が教える!『人生100年 健康な生き方』」(丸善プラネット、共著)を上梓されたばかりの高田先生は理学療法学の博士号をもつ理学療法士でもあり、これまでに走り幅跳びや高跳び、短距離などの陸上選手やプロスノーボーダー、アームレスリングの選手など多くのアスリートに、独自に開発しそれぞれのアスリートの足に合わせたインソールとコンディショニングを提供してきました。

島田選手もこのインソールを使って最近、調子を上げてきました。北海道ハイテクACの選手全員がそれぞれに合ったコンディショニングを受けるとともに、運動機能面からも走りへの適確なアドバイスを随所で行なっていただき、各選手の健闘とモチベーションアップにつながりました。今後のメンバーの成長が楽しみです。

全選手がそれぞれに全力のパフォーマンスを見せてくれました

それでは、当日の各選手の活躍を紹介します。大会コンディションは、14日は気温17.2度~22.9度、最大湿度90.7%の曇り時々雨。クラブメンバーが登場する正午前後は、時折、強い横殴りの雨が降る中での試合となりました。15日は打って変わって、初夏を思わせる晴天でした。

【男子100m】

星 汰一選手(自己最高 10秒51)

予選12組 2位 10秒81
準決勝4組 8位 10秒94

クラブメンバーの先陣を切って、雨の中、期待の星・星汰一選手が6レーンに登場。16組1位+16人が準決勝に進出できる激戦区。鶴雅観光開発株式会社にホテルマンとして昼夜の変則勤務で多忙な星選手ですが、予選10組に登場、1位に0.17遅れの10秒81で2位、準決勝に残れるか、不安な表情を見せた星選手でしたが、プラス16に入り見事、準決勝に進出。しかし、ここ数か月、腰痛に悩み、日頃の練習不足もいなめず、準決勝での敗退となりました。

試合後、星選手は「予選は追い風でしたが、しっかり走れました。準決勝は途中で痛めている腰がピクッとなったので最後まで無理しませんでした」と、次の大会に雪辱を期していました。

  • 腰をかばいながら100m予選に臨んだ星選手

    腰をかばいながら100m予選に臨んだ星選手

  • 準決勝では無理せずゴール!

    準決勝では無理せずゴール!

【女子100m】

島田 雪菜選手(自己最高 11秒69)

予選3組 1位 11秒90
決勝 5位 12秒15

200m日本選手権7位の成績を残す島田雪菜選手は、女子100m予選3組に登場。今シーズン2試合目の大会でしたが、接戦を制して11秒90の1位に入り、決勝進出を決めました。このタイムは4組を戦った予選でトップ、場内アナウンスでも紹介され、決勝への期待が高まりました。しかし、やや気負いがあったのか、「スタートダッシュに乗り切れず、加速できませんでした」と本人がいうように、スタートでの出遅れが響いたものの、決勝は5位入賞と善戦しました。予選で出した11秒90は今シーズンの本人ベストですが、決勝の優勝タイム12秒03を上回る今大会の女子100m最高タイムでした。

  • 予選4組全体のトップで通過を果した島田選手

    予選4組全体のトップで通過を果した島田選手

  • 決勝でゴールになだれ込む島田選手(左から2人目)

    決勝でゴールになだれ込む島田選手(左から2人目)

  • 予選3組1位になった島田選手の成績を示す電光掲示板

    予選3組1位になった島田選手の成績を示す電光掲示板

吉田 明香里選手(自己最高 12秒01)

予選2組 7位 14秒28

チームメンバーの中でただ一人、北海道ハイテクノロジー専門学校アスレティックスポーツ学科に在籍する学生アスリートの吉田選手は、練習でハムストリング筋を痛め出場が危ぶまれていました。鳥取県出身で中学時代は100mで全国1位になっており、北海道ハイテクACにあこがれて北海道メディカルスポーツ専門学校(現北海道ハイテクノロジー専門学校)に進学。来春卒業したら故郷に戻ってくるようにという両親の願いを振り切って、卒業後も北海道に止まって就職し、陸上を続けたいと決心を伝えました。その決意と、この日が全員揃って出場する今シーズン唯一の大会ということもあって、棄権せずにスタートラインに立ちました。しかし、無理が効かず、14秒28での7位となりました。

寮を出て4月から一人暮らしも始め、来春には島田選手と同じ北央電設株式会社への就職が決まっている吉田選手は秋にはアスレチックトレーナーの資格取得にも挑戦します。試合後、「やっぱりハムストリングが痛くて、思うように走れませんでした。レースとしては通過点ですし、はやく治して、資格試験も走りも頑張ります」と、チームの“末っ子”は話していました。

  • 痛めたハムストリング筋をかばいながら頑張る吉田選手

    痛めたハムストリング筋をかばいながら頑張る吉田選手

  • 振り返ってタイムを確認しました

    振り返ってタイムを確認しました

【女子100mH】

村岡 柊有選手(自己最高 13秒37)

予選3組 4位 13秒78
決勝 8位 13秒89

村岡選手は児童通所支援circusで働きながらハードルに賭けています。今シーズン4回目のレースとなった今大会では、「これまでの3レースは去年よりも1秒遅く、散々だった」だけに、予選も集中。13秒台をマークする13秒78で4位となりました。予選3組2着+2が決勝進出の条件だったため、2着を逃して厳しいかなと思われましたが、タイムに救われ決勝に進出。決勝は13秒89の8位でした。

レース後、「ようやくタイムを戻せました」という村岡選手は6月に大阪で行われる日本選手権への出場も決めており、「ベストが出せるよう頑張ります」と話していました。

  • 決勝に進出した村岡選手のハードリング

    決勝に進出した村岡選手のハードリング

  • スタンドに知り合いを見つけて手をふる村岡選手

    スタンドに知り合いを見つけて手をふる村岡選手

【男子110mH】

高橋 佑輔選手(自己最高 13秒60)

予選1組 1位 13秒91
決勝 準優勝2位 13秒65

札幌市役所の保健福祉局で勤務する高橋選手は、長引くコロナ禍のなか、練習時間もとれない多忙な日々を過ごしてきました。予選でいきなり最初のハードルに失敗し、やや遅れましたが、「落ち着いて建て直せば、勝ちはついてくる」と冷静に対応。5、6本目あたりで追いつき、その後トップに躍り出て一位でゴールしました。決勝は第4レーンに登場、こんどは1台目、2台目のハードルをうまくクリアし、ライバルの第6レーン、石川周平選手(富士通)と最後までもつれ込むレースを展開。無念!0.12秒、石川選手に及ばず13秒65で2位となりました。

試合後、「せっかくの追い風をうまく使えず、もったいなかった」と振り返りながら、筑波大時代の1年先輩の石川選手には「なんとしても勝ちたかったのに…」と盛んに悔しがっていました。

  • 華麗なハードリングをみせる高橋選手

    華麗なハードリングをみせる高橋選手

  • 決勝でトップの石川選手と並んでゴールする高橋選手

    決勝でトップの石川選手と並んでゴールする高橋選手

  • 準優勝の高橋選手の成績がビジョンに表示

    準優勝の高橋選手の成績がビジョンに表示

【女子走り高跳び】

京谷 萌子選手(自己最高 1m78cm)

決勝 7位 1m60cm

1m60に挑戦する京谷選手。わずかにバーに触れてしまいました

1m60に挑戦する京谷選手。わずかにバーに触れてしまいました

北海道知内高等学校の教員で陸上部の顧問も務め、北海道ハイテクACでの活動歴9年目を迎える京谷萌子選手は、4月から学校業務、クラブ活動の指導などに追われる多忙な日々を送ってきました。なかなか練習時間が取れない悩みを抱え、十分な感覚も取り戻せないまま、今シーズン2戦目を迎えました。1m45、1m50をパスした京谷選手は、1m55から跳び始め、1回目できれいにクリア。バーが5cm上がっての1m60でも見事、一回目でクリアしました。しかし、この日の調子はここまで。小雨が降ったりやんだりする足元の悪い中、1m65では3回共、ほんのわずかなところでバーを落として、記録は1m60の7位でした。

陸上部で手塩にかけて指導してきた生徒が今年、北海道ハイテクノロジー専門学校のスポーツトレーナー学科に進学。「教え子たちの成長も楽しみですが、私もなんとか練習時間を作り出して、記録もありますが、観ていて楽しいパフォーマンスが見せられるようなジャンプがしたいですね」と、話していました。

「新出発はまずまずの結果」と一安心の正垣代表

北海道で連絡を待っていた同クラブ代表の正垣・滋慶学園理事は大会結果に、「みんなの実力は完全に出し切れているとは言えないが、全員参加はこの大会だけです。北海道ハイテクACの新出発としては、まずまずの結果を出してくれたと思います」と、ひと安心の様子でした。

東日本実業団陸上選手権大会の成績

 

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