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心肺停止のランナー救命に貢献しました!大阪医療福祉専門学校メディカルトレーナー部

救命講習会で指導をするメディカルトレーナ部のメンバーら

救命講習会で指導をするメディカルトレーナ部のメンバーら

中学・高校の部活動の傷害予防やスポーツ大会の救護などに、課外活動として組織的に取り組んでいる大阪医療福祉専門学校 メディカルトレーナー部が、大阪で行われたマラソン大会で、心肺停止のランナーに心肺蘇生を実施。このランナーはその後、搬送先の病院で無事回復しました。チームワークによる緊急時の対応の練習を活かし、すばやく救命に当たる活躍ぶり。主催者や大会関係者からも感謝されています。

この大会は3月31日(日)に大阪市内で行われていました。

会場には、大阪医療福祉専門学校 理学療法士学科の教員で、メディカルトレーナー部顧問の菊地淳先生が学生15名と、整形外科で働く卒業生の理学療法士1名を引率していました。菊地先生と卒業生は、大会本部の救護室で医師や看護師らとともにスタンバイ。学生15名はコースの4つのエリアを、AEDを携え自転車で巡回しながら、ランナーの様子をチェックしていました。

倒れたランナーは意識なく 胸骨圧迫とAEDで救命措置

緊急事態が発生したのは、スタートから約2時間後の午後1時13分。「ゴールの手前で前を走る人が、頭から倒れた。意識がありません!」と男性ランナーが救護室に駆けつけてきました。ただちに看護師が現場に急行し、菊地先生がAEDを持って後を追いました。

現場では30代後半の男性がうつ伏せで、顔を右に向けた状態で倒れており、左眼のまぶたあたりに挫創があり出血。両目は開いているものの白目をむいていました。菊地先生はランナーが倒れたままの姿勢を保ち、脊椎を保護しながら体を横向けに半回転させました。男性は「うー、うー」とうめき声を上げるだけで意識はなく、呼びかけや刺激にも反応がありません。

呼吸は心肺停止直後にみられるような状態で、看護師が手首の脈をみて心停止を確認。すぐに医師の指示でCPR(心肺蘇生)を実施しました。看護師が馬乗りになり、胸骨を圧迫、菊地先生がAEDを操作し、心電図の解析を開始。音声ガイドに従い、周囲を遠ざけカウンターショックを施しました。その後、医師と菊地先生、駆けつけたランナーの医師らが交代で胸骨圧迫。救急隊が到着するまで続けました。

後ろを走るランナーへの注意喚起も重要な仕事

一方、コースを巡回していた15名の学生たちは、心肺停止事案の発生連絡を受け、ただちに各コースのチームの態勢を縮小し、計7名が自転車で現場に急行しました。ゴール前で発生したことだけに現場は混乱しており、カラーコーンを使ったコース変更や、ランナーの誘導、集まる人の整理など救命活動のサポートをしました。また救急車の誘導をして、スムーズに搬送ができるようにしました。AEDの消毒などの後片付けも行いました。

その後、大会本部から、男性は病院で意識を回復し、検査結果でも特に異常はなく、念のため精密検査を実施するとの連絡がありました。

  • AEDによる救命チームのミーティング(昨年の同じ大会)

    AEDによる救命チームのミーティング(昨年の同じ大会)

  • 応急手当の指導をする菊地先生(右)

    応急手当の指導をする菊地先生(右)

菊地先生は「あの瞬間の光景は目に焼きついています。倒れた方のうめき声もしばらくは頭から離れませんでした。チーム全体で練習を積み、緊急事態に備えて準備をしているのですが、まさか目の前で起きるとは…。マラソンレース中の心肺停止は、ゴールの直前直後に起きることが多いと言われますが、本当にそれを経験しました」と話していました。

心肺停止事案の発生後も、引き続きコースに残って4つのエリアを巡回していた学生たちの役割も重要です。「この時点でコースを走っている比較的遅いランナーは、長時間走っていることになります。だから心臓への負荷も大きい。巡回チームの学生たちが、“現在ゴール直前で救急事案が発生しています。本当に無理をしないでください”と注意を呼びかけることも重要な役割でした」と菊地先生は解説します。

一人ひとりがチームリーダーになって動けるように

メディカルトレーナー部は、2013年6月の創設以降、ほぼ毎週活動を行っており、これまで中学・高校の部活動での指導、学校の出前授業、市民マラソンや高校野球などのスポーツ大会の救護活動など、多くの医療ボランティアを行ってきました。(※活動実績一覧はこちら

3月の「東京2020応援プログラム 高校運動部の選手・マネジャーのためのメディカル・トレーナー講習会」は毎回大勢の高校生アスリートらが参加。メディアでも取り上げられています。

  • メディカル・トレーナー講習会

    メディカル・トレーナー講習会

  • 大勢の高校生アスリート、マネジャーが参加しました

    大勢の高校生アスリート、マネジャーが参加しました

メンバーは現在、理学療法士学科作業療法士学科の学生45人。今回のようにマラソンなどのスポーツ大会で、心肺停止などの救命措置に対応するため、チームで一人ひとりがいかに動くかという練習を日ごろから積んでおり、AEDの操作方法も完全に身につけています。今回の大会に参加した15人の学生たちの中には、赤十字救急法救急員の有資格者もいます。

滋慶学園グループは各学校・各企業で「救急コーディネーター」の人材育成をすすめており、全国で229人のスペシャリストが育っています(今年3月現在)。理学療法士の菊地先生もその1人で、「部員たちは非常にクオリティーの高い濃い内容の練習をして、一人ひとりがリーダーになっていつでも動けます。今回の私のような動きは全員ができるようになっているのです。もっと多くの学生に参加してほしいと願っています」と話しています。

※産経新聞の記事 ネットニュース

https://www.sankei.com/life/news/190311/lif1903110004-n1.html

※メディカルトレーナー部のブログ

https://www.ocmw.ac.jp/contents/blogs/46473

※メディカルトレーナー部の活動を紹介した記事

http://www.jikeigroup.net/news/20181126_23095.html
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